石原裕次郎の「赤いハンカチ」

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ハンカチと言えば清潔な白のイメージですが、この歌ではなぜか赤なのです。
歌詞を味わうと何となくそのわけがわかります。

「アカシヤの花の下で　あの子がそっとまぶたをふいた　赤いハンカチよ
恨みにぬれた目頭に　それでも涙は　こぼれて落ちた」

私が小学校低学年の頃で、テレビが普及していなかったその頃の娯楽と言えば
もっぱら映画館へ出かけていくことでした。

父は船員の仕事をしていて、月に1度くらいしか家に帰って来ませんでした。
父が帰ってくる日は、母が朝からそわそわしていて、夕方にはご馳走をつくり、
食後に近くの映画館へと出かけました。
そのときの映画の1つが「赤いハンカチ」でした。

子供でしたから、つまらないときには
上映中の映画館の台の上に登ったりして遊んでいました。
近所の知らない子供たちも一緒になって、
台の上に寝っ転がってスクリーンを眺めているときもありました。

そんな状況でしたから、映画の内容はさっぱり覚えていません。
ただ、最後の方で「赤いハンカチ」の主題歌が流れると、じっと聞き入っていました。

あの頃の映画館は、大人にとっても子供にとっても、一種の社交場のような雰囲気がありました。
懐かしく思い出しました。




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