斬はなぜ車におのづくりなのか

ベンジャミン

2016年11月12日 07:07

「斬新(ざんしん)なアイデア」に遣われている斬という漢字の部首は、
車へんではなくおのづくりになっています。

漢和辞典で調べてみると、車を斧(おの)で切ることを示しているとのことでした。

鋭い切り口で、これまでの常識に風穴を空けたということから、
斬新という言葉が生まれたのでしょう。

斬は斬首(ざんしゅ)にも遣われていて、これは首を切り落とすことを意味しています。

ところで、斬はどうして車とオノの組み合わせになっているのか気になりました。

辞典にもその訳までは書かれていません。

べつに車でなくても、例えば岩でもいいような気がします。

暫にそのヒントがありました。

この漢字は仕事の中間に割り込んだ少しの時間という意味を持ち、
暫定措置はしばらくの間、仮に定めた処置ということになります。

つまり、車は昔、牛車や馬車があったように、仕事には欠かせない大事な道具で、
これを斧で割ることは仕事が亡くなる、生きる手段を奪われるという意味合いから、
車とオノになったのではないかと考えられるのです。

斬が用いられている漢字には塹壕(ざんごう)の塹もあります。

これは、土を切り取ったように掘るということを示しているのです。

他にも、慙愧(ざんき)の慙(心に切れ目を入れられたような恥ずかしい思い)や、
漸進(ぜんしん・少しずつ進む)の漸(切れ目に少しずつしみこむ)がありました。

したがって、塹・慙・漸の部首はそれぞれ、土・心・さんずいとなっています。




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