2014年01月02日

映画「パッチギ」、実は感動的な作品だった

映画「パッチギ」、実は感動的な作品だった
RBC (琉球放送)の映画が深夜から始まりました。

「パッチギ」というタイトルでした。

おかしな日本語だなと思っていましたが、調べてみると朝鮮語で「突き破る・乗り越える・頭突き」の意味でした。

最初はグループサウンズで異彩を放っていたオックスの「ダンシングセブンティーン」という曲で始まります。

失神者続出と言われたいわくつきのステージを再現しています。

GYAOでもやっていたのですが、つまらないと思ってすぐに消したものでした。

ところが、出演者にあの二股交際・結婚詐欺の塩谷瞬、
そして「別に」発言で全国的に有名になった沢尻エリカの名前が挙がっているではありませんか。

はじめの部分は全く面白くないのですが、
朝鮮女子高生役の沢尻エリカが、日本の不良高校生達に絡まれる場面から目が離せなくなります。

朝鮮学校の不良達が大挙押しかけて仕返しをするのですが、暴力描写が思ったより激しく、
ついには修学旅行生たちが乗った大型バスを大勢で転倒させてしまうのです。

当時の公衆電話である赤電話を引きちぎってお金を奪うシーンや、
大学の過激派に鉄棒を提供する場面など、かなりどぎつい、目を覆いたくなる箇所もあります。

しかし、その残虐さに一服の清涼剤となっているのが、日本人高校生役の塩谷と沢尻エリカの純真な恋愛感情です。

さらには、朝鮮に対する差別問題が複雑に絡んでいて、
互いの歴史や文化を理解することがいかに難しいかを問いかける作品にもなっています。

グループサウンズからしばらく経つと、一風変わったグループ「フォーククルセイダーズ」が登場します。

彼らは「オラは死んじまったダー」で始まる高速回転のレコード、
「帰ってきた酔っぱらい」の大ヒットで一躍有名歌手の仲間入りを果たしたのですが、
朝鮮半島を分断するように流れる「イムジン河」という民謡をコンサートがあるごとに歌っていたことを初めて知りました。

もともとフォークルは、世界の民謡を紹介しようという意図で結成されたグループだったのです。

「イムジン河 水清く とうとうと流る」

二つに分かれてしまった祖国を嘆き、
できればきれいなイムジン河のように清らかな心で、南北が仲良く一つになって欲しい気持ちを
切々とうたいあげます。

この曲は一時ラジオやテレビで放送することが禁止されていた、これまた政治関係が関わるいわくつきのものでした。

この美しい旋律を塩谷のギターと沢尻の横笛で合奏するシーンは見ごたえがあります。

最後近くで、塩谷が懸命にスタジオ録音で「イムジン河」を歌う姿には、不覚にも泣いてしまいました。

この頃、リアルタイムで高校・大学生だったので、多感な時期を思い出し余計に涙が出ました。

いやはや、見た後にこんなにも世の中のことを考えさせてくれる映画は久しぶりです。

エンディングで流れる「あの素晴らしい愛をもう一度」はカラオケで何度歌ったことか。

音楽担当の加藤和彦は、この映画上映の4年後にうつ病になって自殺してしまいました。

改めて冥福を祈りたいと思います。


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Posted by ベンジャミン at 07:21│Comments(0)映画
 
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