割腹自殺の前年、映画「人斬り」に出ていた三島由紀夫

ベンジャミン

2017年10月31日 14:41

お昼のワイドショー番組で司会者の女性が、
驚愕の表情で「三島事件」の速報を伝えていたのが記憶に残っています。


ノーベル賞候補にもなった東大卒業の作家である三島由紀夫が、
憲法改正を訴えて自衛隊員らに決起を促したのです。

当時は1970年という、経済的に豊かになった日本が平和な世の中を満喫し、
暖衣飽食に浮かれていた時代の真っ只中。

アメリカの子分状態に不満はあるものの、
クーデターを起こしてまで政治をひっくり返そうという隊員はほぼ皆無でした。

マイクなしで声を振り絞って演説をしましたが計画通りにことは進まず、
彼は「楯の会」のメンバーと共に切腹をして果てたのです。

実は、この事件の前年、彼は「人斬り」という映画に出ていました。

共演者は豪華そのもので、「座頭市」の勝新太郎、「太陽にほえろ」の石原裕次郎、
そして今や演劇界の重鎮とも言える仲代達矢。

この4人の芸達者が織りなす、幕末の人斬りを描いた超ど迫力の映画です。

特に薩摩藩の人斬り田中新兵衛役をこなした三島由紀夫の割腹シーンは、
彼のボディビルで鍛えた肉体も合いまって見るものを釘付けにします。

彼はとりわけ勝新太郎と仲良く撮影に応じ、
岡田以蔵役の勝が泣いて酒を飲むところで、よしよしと慰める場面がグッときます。

YouTubeに動画がアップされています。

是非ご覧ください。


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