加藤剛は最期まで大岡越前だった

ベンジャミン

2018年10月14日 15:58

加藤剛が胆嚢癌で死去してから早3カ月が経とうとしています。

爆報THEフライデーで取り上げられていました。

私生活についてはほぼ何も明かされないままだった父親としての加藤剛のことを、
出演した二人の息子が話してくれています。

加藤剛と言えば三匹の侍や砂の器が印象に残っていますが、何と言っても一番記憶に刻み込まれているのが大岡越前の忠相役です。

大岡忠相は実在した人物ですが、実際こんな人だったのだろうと思わせる演技力で視聴者を36年間もテレビの前に釘付けにしました。

霊が乗り移ったのではないかと誰もが思いました。

彼は、家庭内の暮らしぶりも大岡越前そのものだったと息子たちが述懐しています。

息子たちがまだ幼い頃、ケーキの分け方で争ったことがあったそうです。

その時、彼が下した大岡裁きには思わず唸ってしまいました。

兄の方が最初に切りなさい、どんなに大きく切っても構わない。

しかし、最初に食べるのは弟の方だ。

こう言われた兄がどんな切り方をしたかは、誰もが容易に想像できます。

加藤剛は酒やタバコ、ギャンブルには無縁で、もちろんスキャンダルも一切なし。

芸能界でこれ程真面目に生きてこられたのは、節制を非常に重んじていた賜物だとうかがい知ることができます。

彼は最期を迎える時も大岡越前を彷彿とさせる行動を取りました。

足が痙攣したのをきっかけに病院で診察を受けたところ、余命三ヶ月の胆嚢癌であることを医者から告げられても、
心配する家族をかえって励ましたというのですから恐れ入ってしまいます。

癌宣告後も普段通りの生活をそのまま続けて、最期は穏やかな顔で眠るようにして息を引き取ったのです。

大往生そのものです。

家族の誰にも迷惑をかけず、ぴんぴんころりと天国に駆け上ったのです。

非常に理想的な、羨ましくて仕方のない死に方ではありませんか。

人の悪口を一度も言ったことがない人格者を、息子たちは一生尊敬し続けることでしょう。





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