去った8月に実施された数学検定準2級2次試験の問題に、
易しいにもかかわらず意外に生徒たちが手を焼いたものがありました。
ある池のカメを30匹捕獲し、それらのカメ全部に印をつけて池に戻しました。
7日後に、同じ池でカメを20匹捕獲したところ、その中に印のついたカメが6匹いました。
この池には、カメは何匹いると推定できますか。
このような問題は学校の試験にはめったに出ないので、
面食らった生徒がかなり多かったようです。
新傾向の問題だと考えても良さそうですが、
単純な比に関する問題だと気づけば暗算で即座に解けるのです。
模範回答は次のようになっています。
池にいるカメ全体の数をx匹とすると、
x: 30=20: 6 6x=600 x=100
答 100匹
つまり、何匹いるかわからない中から無作為にカメを30匹捕まえて印をつけたのです。
そのカメが一週間も経過すれば、カメの群れ全体の中に一様に散らばります。
その後、同じ池で捕獲した20匹のうち、印のついたカメが6匹いたのです。
印をつけたカメの30匹のうちの6匹がいたのですから、比率からして5ぶんの1の20%
ということは、全体である100%は、20匹の5倍いると推定できるわけです。
いちいち比の計算式にしなくても、30÷6=5 5x20=100 でもかまいません。
問題文の「7日後」というところに、神経過敏に反応した生徒も多かったようです。
ここを「しばらく経ってから」あるいは「数日経ってから」にした方がよかったのかもしれません。
しかし、問題の中に無視しても良い数字があることに気づくことも、
実は大事なことなのです。
結局は、問題の本質さえつかめば簡単に解けるものでした。