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Posted by TI-DA at

2018年07月16日

「なので」が市民権を得た理由

「なので」は辞書に載っていません。

つまり、正式に認められた日本語ではありません。

しかし、ラジオのアナウンサーも用いるほどの普及を見せています。

一体なぜなのか。

最初にこの言葉を聞いた時、その違和感は半端なものではありませんでした。

どうして「だから」を使わないのか、不思議でたまりませんでした。

明日は台風が来る予報がでています。だからイベントは中止となりました。

この文の「だから」の部分は「そのため」、「それで」に置き換えることもできますが、
「なので」にすると変な感じがします。

明日は台風が来る予報なので、イベントは中止になりました。のように、
接続助詞の一部として表現するのであれば何の問題もありません。

「なので」を文と文との間にいれる接続詞して使うことがスッキリしないのです。

ところが、聞き慣れてくると「なので」に抵抗感を以前ほどは感じなくなりました。

そもそも、順接の「だから」も接続助詞から独立したものと考えることができます。

では、「だから」と「なので」の決定的な違いは何なのか。

「なので」の場合は、「そういうことなので」の省略形と考えることができます。

そして、必ず前に述べたことに関連したことを続けて行きます。

一方、「だから」はそうとは限りません。

お前、あの男に騙されたのか。だから言っただろう、彼は怪しいから気をつけろと。

この例のように、騙されたのは忠告を聞かなかったお前が悪いんだぞとたしなめる言い方になることもあります。

もうひとつ、「なので」は「だから」よりも女性的で丁寧な印象を与えます。

子供や高齢者に対する説明の仕方として、その順序に従って優しく話すときには「なので」が適していると言えます。

「なので」が新しい広辞苑に掲載されたかどうか知りませんが、近い将来きっと「なので」は順接の接続詞として認められることでしょう。指輪キラキラ



  

Posted by ベンジャミン at 14:56Comments(0)言葉の意味・語源

2018年05月07日

シャベルとスコップの違い

国語辞典を引くと、シャベル(ショベル)もスコップも土や砂をすくうさじ型の道具となっています。

たしかにそうなのですが、シャベルは本格的に穴を掘る時に使う大きい方で、
スコップは庭の手入れや鉢植えなどに使う時の小さい方だと思い込んでいました。

しかし、これは西日本地域での区別で、東日本では大きい方がスコップで小さい方がシャベルだとなっているようです。

どうしてこのように食い違ってしまったのか。

どうやら、外来語として伝わってきた時期に関係があるらしいとのことです。

鎖国時代にはオランダと中国の二カ国だけに限り貿易をしていたため、オランダ語のスコップの方が先に入ってきたと思われます。

長崎出島の人々は、これを比較的小さな道具として考え、他の西日本地域へも広がっていったのではないでしょうか。

それから200年以上経った明治時代に入ってから英語のシャベルが伝わり、
東京を中心とする東日本の人々は、シャベルの方を手軽に使える道具として広めていったと考えられます。

一方、西日本ではショベルカーが大型の重機であることから、大きい方をシャベルだと言うようになったようです。

現在では、土や砂をすくう道具であればスコップとシャベルの両方で表す人もいるそうです。

長年スコップは小型の道具として考えてきたので、大型の道具をシャベルではなくスコップと言うことにはどうしても抵抗があります。

ともあれ、言葉というものが時代と共に変遷して行く理由の一端を示しているようで、本当に興味深い話です。キョロキョロ










  

Posted by ベンジャミン at 11:44Comments(0)言葉の意味・語源

2018年04月08日

理論と論理の違いをわかりやすく言うと…

理論と論理は同意語ではありません。

しかし密接な関係があるために、しばしば混同されて用いられます。

英語ではtheory(セオリー・理論・学説・仮説)と、logic(ロジック・論理・道理)になっていて、
はっきりと区別されています。

手元の辞書を引くと、理論は原則や原理を元にした筋道だった考え、
論理は考え方の正しい筋道とあります。

もっとわかりやすく言うと、理論は打ち出された一つの考え、論理はその考えに至るまでの思考過程ということです。

具体例で説明します。

アインシュタインの有名な相対性理論があります。

これは非常に難しく理解困難な学説ですが、簡単にまとめると、光速と重力が時間と空間に及ぼす影響について述べた理論となります。


この理論を説明するために相対性原理や光速度不変の原理が用いられていますが、この思考過程が論理なのです。

ダーウインが唱えた進化論も、生物は不変なものではなく長期間かけて変化したという仮説ですが、
これもダーウインが打ち出した理論と言うことができます。

そして、それを裏付ける論理として、彼は世界一周で得た多くの観察例や実験による成果などを挙げています。

もう一つ、ウェゲナーが発表した大陸移動説も、大陸は地球表面上を移動してその位置や形状を変えたとする理論です。

その根拠としてある種のミミズやザリガニが離れた大陸に存在すること、ヨーロッパの断層が北アメリカの断層とつながっていること、
そして何よりも各大陸をジクソーパズルのように組み合わせることができる地形学的な考え方などを列挙しています。

これらの、ある学説を確立させるために用いる観察例や実験結果そして学術的根拠も論理の一種というわけです。

論理の飛躍とは言っても理論の飛躍とは言わない訳が良くわかると思います。
鉛筆
  

Posted by ベンジャミン at 16:36Comments(0)言葉の意味・語源

2018年04月04日

泥棒(どろぼう)の語源は…

どろぼうをなぜ泥棒と書くのか気になっていましたが、これは単なる当て字のようです。

顔に泥を塗って用心のために棒を持っているから泥棒という、こじつけのような説明もありましたが、
有力な説ではありません。

他にもいろいろな説がありますが、ハッキリとした語源はないようです。

そこで推測してみました。

これは単純に考えて、盗る+坊主から来たものではないか。

坊主には寺の僧の意味の他に、男児に対する親しみや嘲りの呼び方もあります。

盗る坊主➡盗る坊➡とろぼう➡どろぼうとなったのではないかと思います。

ドロボーと叫ぶ時は母音がオになっている点も影響したはずです。

この方が確かに言いやすいし、大声で叫びやすくなります。黄かりゆしウェア


  

Posted by ベンジャミン at 14:39Comments(0)言葉の意味・語源

2018年03月16日

「すみません」には3つの意味があった

高校入試模擬テストの英語の長文問題に興味深い話が出題されていました。

魔法の言葉というものがあって、それを使うと相手とのコミュニケーションがスムーズになり、
お互い気持ちよく話が出来るとありました。

代表的な例として「ありがとう」、「お願いします」、「すみません」があります。

確かに、これらの言葉には相手への尊敬の念が伝わるだけでなく、丁寧な言葉遣いを促す効果もあります。

使うか使わないかによって大きな差が出てくることは間違いありません。

一番興味を惹かれたのが日本語の「すみません」に込められた意味です。

相手への謝罪の気持ちを示す他に、「失礼いたします」の意味もあります。

道を尋ねる時の「すみません」がこれに当たります。

そしてもう一つ、感謝の意を伝える「すまません」がありました。

机から落ちた消しゴムを拾ってもらった時に発する「すみません」です。

今までは自分なりにこう考えていました。

相手が持っている自由時間を割いてもらうのだから、罪の意識とまではいかないが、
申し訳ないという気持ちから「すみません」を用いるのではないかと。

いずれにしても、外国人にとっては時と場合に関係なくI'm sorry.(アイムソーリー)を連発されると、
奇妙な感じを抱くことには納得できました。

ところで、英語のI'm sorry.にも色々な意味があることを確認してみました。

「すまなく思う」の他に「気の毒に思う」、「残念に思う」、「おっと失礼」などがあります。

I'm sorry to be late.(遅れて申し訳ない)

I'm sorry to hear that.(それはお気の毒に・それを聞いて気の毒に思います)

I'm sorry, but you are wrong.(残念ながらあなたは間違っています。こう言っては悪いけれど…)

High pleasureーsorry, High pressure. (高い喜びーおっと失礼、高い気圧・高気圧の間違いでした)

所変われば品変わるとは、よく言ったものです。鉛筆

  

Posted by ベンジャミン at 13:01Comments(0)言葉の意味・語源